Art Nouveau
(Nippon)
The Collection > Art Nouveau (Nippon)


主に花、葉、樹木などをモチーフとし、複雑で優美な曲線と淡いパステルカラーを基調としており、絵付けはヨーロッパの伝統的装飾様式や当時のアールヌーボー様式の影響を大きく受けている。

1つの作品にさまざまな技法や手法が混在していることもオールドノリタケの大きな特徴の1つであるが、単なる西洋の模倣にとどまらず、モリアゲなどの日本独特の秀逸な技法に東西文化をクロスオーバーさせることによって多様な表現をより一層味わい深いものにしている。また、当時ヨーロッパで流行したジャポニズムが応用されている点も興味深く、モリアゲの作品に特に評価の高いものが多い。

ここでは、技法別と用途・形状別の双方の分類を試みた。

  • Chapter A

    Tea Sets & Chocolate Sets


  • Chapter B
    Techniques

    Moriage 1
    (Pine Corn Pattern)
    Moriage 2
    (Flower Pattern)


    Moriage 3
    (Woodland Pattern)
    Moriage 4
    (Other Moriage PatternT)

    renewal

    Moriage 5
    (Other Moriage Pattern U)

    Gold Impaste
    renewal








    Tapestry
    Portraits
    renewal


    Mold T
    MoldU

    Cobalt
    renewal
    Wedgwood Series

    Etching
    Japonism

    Enamel
    Beading


    Marble


  • Chapter C
    Style and Shapes



    VasesT
    VasesU


    Vases V
    renewal
    Plates & Bowls


    Wine Jags & Jars
    Humidors


    Tooth Pick Holders
    Design

    Rare Items
    Miscellaneous



    * 裏印について PART 1

    1885年から終戦にかけて、約110種類以上のオールドノリタケの裏印が現在確認されているが、概して統一性のあるものではなく、その膨大な生産量に呼応するように実に多種多様である。本来、窯印や裏印は作品の履歴や来歴を如実に物語ってくれるものであるが、大戦でノリタケの資料原本が消失したため、秘められた部分も少なくない。

    裏印は海外輸出向けと国内向け、輸出国別、ディナーウェアーとファンシーウェアーの用途別、そしてボーンチャイナ等の生地別等で区別されており、従って同種の作品に異なる裏印が使用される場合も少なからず見受けられる。代表的なお馴染みのオールドノリタケの裏印として、初期のメープルリーフ印、英国向けのマルキ印、1910年頃〜のM−NIPPON印、1918年頃〜のM−JAPAN印、ライジングサン印、サクラ印、そして国内向けのヤジロベー等がある。また裏印にはノリタケブランドを保っために自社製品のグレイドの域に達していない製品にはチカラマチ印等、別の裏印を使用していたとも言われ、ローズチャイナ印やライジングサン印等がそれに該当するように思われる。

    オールドノリタケの裏印で特に注意しなければならないのはその使用期間である。たとえば、米国向けのM−JAPAN印は1918年〜1941年の約20年余り使用されているが、1918年はその裏印が使用開始された年、或いは登録された年であるため、必ずしも作品の製造年を表わすものではないということである。

    尚、本サイトでは作品点数の関係から割愛した裏印も多く、最低限度の裏印の掲載にとどめた。また、裏印については 【 オールドノリタケコレクターズガイド  トンボ出版 】に詳述されているので参照されたい。

      
    ▲ オールドノリタケの主な裏印 
    オールドノリタケコレクターズガイド  (トンボ出版) p.142,143 より

    ※トンボ出版 http://www.tombow-shuppan.co.jp




    * 裏印について PART 2

    最近発刊されたオールドノリタケに関する本に裏印の説明書きが幾分不適切であったためか、多くのコレクターや読者の間でいささか混乱と誤解が生じた。それは、『オールドノリタケには裏印がない』 というものである。裏印番号1として裏印はない。としたものだからそのインパクトは大変大きかった。この件に関して本サイトにも多数の貴重なご意見をいただき、いつまでも看過できず皆さんのご意見をここに公開し纏めてみることにした。ともすれば誤った情報が一人歩きし、いつの間にか定説となっては良識あるオールドノリタケに関わる人たちが被るダメージは計り知れないものがあると判断したからである。専門家諸氏の意見や見解を踏まえた上で、ここに整理してみたい。

    本来オールドノリタケには数は少ないが裏印のないものが確かに散見される。それは以下のような場合である。

    この本に掲載されている唯一のノーマークものはルビー地の盛り上げである。これはノーマークであるが、その作風と漆蒔塗りのルビー地はノリタケ独自のものと解釈できオールドノリタケの範疇といえる。ただこれは例外的であり、このようなケースを一般のノーマークのニッポンもの全てに適用することは危険である。次に、ペアーものの場合は一方だけに裏印をつけ、他方はノーマークで出荷したため、稀ではあるがベース等にその作例がみられる。また、第二次世界大戦中の反日感情からノリタケを守るため、裏印を削ってまでもその保存に努めてくれたアメリカ人コレクターの情熱によるもので、この場合は裏印が削り取られた痕跡が見てとれる。次に超大物アイテムである。80センチレベルのUrnにノーマクのものがあるが、これだけのものを明治中・後期に制作できたのは森村組の仕事によるものと推測される。

    一方、米国の関税法律が施行される1890年以前にはノーマークの物が多いとする見解であるが、もしノリタケであるならば、当時の専属画(絵)付工場の印(漂池園、杉村、井口、西郷、藤村、石田など)があるはずである。また1891年以降のNIPPON印はオールドノリタケだけでなく、当時の日本製品全てに使用されていたことを忘れてはならない。

    従って、『オールドノリタケには裏印がない』 のではなく、『裏印のない物の中にオールドノリタケもある』 とする見解が妥当であろう。ノーマークのNIPPONものは数知れずあり、それらを全てオールドノリタケとするにはあまりにも無理がある。勿論、ノーマークのNIPPON物の中にはノリタケやRoyal Moriye , Oriental Chinaなどに勝るとも劣らないくらい素晴らしい盛り上げもあるので、一概にノーマークだからと言って作品の価値が低いと言うものでもない。

    ただこの件で最も懸念されるのは、誤解と混乱が生じる一方で、これに乗じて安価なノーマークのNIPPON物を「オールドノリタケ」と称して暴利を夢見る業者が今後現れるとも限らないということであろう。まことしやかにノーマークのNIPPON物をノリタケだと力説するその背景に価格操作の意図を垣間見ることができよう。これは、オールドノリタケのみならずアンティーク業界全体に暗い影を落とし、大きな信用が損なわれる恐れがある。

    以上、良識ある忌憚のないご意見を多数頂戴した。
    最後に皆さんの声を再びこう集約してみた。

    『オールドノリタケには裏印がない』 のではなく、
              『裏印のない物の中にオールドノリタケもある』