* Wedgwood Series (Pattern)
イギリスの有名なウエッジウッド社のジャスパーウェアをモリアゲ技法によって見事に模した作品であり希少アイテムの1つである。ローマ時代のカメオ・ガラスを模して作られたこのウエッジウッド社のジャスパーウェアは、18世紀後半にヨーロッパ全土で大流行し、その煽りをうけ経済的苦境に立たされたマイセン窯も形振りかまわずジャスパーウェアの大量コピーに走った。これはマイセン窯の長い歴史の中でも最も屈辱的な迎合とされているが、デザインまでそっくり模したマイセンに比べ、ノリタケは全く違った技法によってそれを可能にし、より一層味わい深いものにしている。
ウエッジウッド社のジャスパーウェアは藍い生素地本体に白い素地で抜型した文様や絵柄を貼り付け焼成するのに対し、(貼り付け盛り)ノリタケは白く焼きあがる泥しょうで筆などを使って直接生素地全体に絵付けする。また、細部にわたる点や線については一陳技法を併用する一種のモリアゲ技法である。従って、前者では白いレリーフがノリタケに比べ幾分鮮明となるが点や線などの細やかな装飾は見られない。一方、労を厭わぬ計り知れない緻密さが随所に見られるのがオールドノリタケの特徴である。また、ノリタケの生素地には藍に限らずライトブルー、深緑、茶など数種類が確認されている。
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