戦災による日本陶器の資料室の焼失によって多くの貴重な資料が
失われたため、残念ながら今なお完全にノリタケの歴史の空白部分を
埋めるに至っていない。
ここに紹介する大正5年(1916年2月)に出版された『奮闘主義』も
その空白部分の1つである。
ノリタケカンパニーの創立者、男爵 森村市左衛門 述 とあり
市左衛門が語った内容を第三者が書き留めたのであろう。
この古書は市左衛門の並みならぬ人生に対する前向きな生きる姿勢と
粒々辛苦の上に如何に奮闘努力をして今日の日本陶器の礎を
築いていったかを切々と語っている。ノリタケの歴史の空白部分に
迫り、知られざる市左衛門の姿を垣間見ることができる。
ノリタケの歴史を探求する上において必読の書といえるだろう。
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