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* BONE CHINA

実に妖艶である。
古今東西を問わず、女性のフィギュアには多分に官能的表現が用いられるが、この作品にはそれが全くない。しかしながら、これほどまでに妖艶という形容をごく自然に口にできる作品はそうなかろう。
1940年頃の国内向けボーンチャイナであるが太平洋戦争勃発前夜の戦時体制下のわが国にこのような素晴らしい傑作が生まれたことが信じがたい。 角度によって様々な表情が生まれ、その都度新しい発見を目にし 観るものを魅了する。
極めて稀なケースであるが、ノリタケは国内向けにもこのような優れた作品を残していたのである。 高さ23cm 幅18cm


  

  

  

  

  



ノリタケでは昭和10年頃になって軟質磁器であるボーンチャイナの生産が本格化される。
右下(※印参照)の作品は1940年(昭和15年)頃の物で裏印がボーンチャイナマルキ印[紺色]のピンクの色生地である。ブルーや淡いグリーンのものも散見されるが、このピンクの色生地のフィギュアーものは稀である。一方、左のDISPLAY SIGN は時代は若いが(戦後)、右の作品をベースにしてよりデコラティブに仕上げている。特に頭部のゴールドのヘアーのデザインはこの作品をより洗練されたものにしている。ノリタケがこの作品をディスプレイサインとして起用したのも余程の自信作であったに違いない。


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