* デコレディーとエルテ
ノリタケアールデコの大きな特徴は、西洋の単なる模倣や亜流ではなく、ファッションデザイン画やイラストレーションを直接意匠として取り入れ、それを見事に磁器の世界に昇華させたところにある。とりわけアメリカのコナントやフランスのジャン・デュパに並んでロシアのエルテのコスチュームデザインや劇場デザインの作品が大きな影響を及ぼしている。
ロシアのサンクトペテルブルク(レニングラード)に生まれたエルテは20歳の時にパリに渡り、ファッション雑誌ハーバース・バザーの表紙を22年間描き続けた。その中の作品のうち170点をメトロポリタン美術館が買い上げ世に広く知られるところとなった。1920年代の1つのデザイン様式を築き上げたこのエルテの鮮やかな色彩感覚やオリエント風の豪奢な意匠をノリタケは見事に陶磁器の世界に再現してみせる。ノリタケアールデコに登場するデコレディーたちは、当時の女性風俗のファッションを雄弁に語りかけ、モダン都市の感性を我々に伝えてくれる。
〔Spain Collection〕
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〔Spain Collection〕
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