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Azalea Pattern

いよいよノリタケ・アザレアパターンの登場である。
アメリカではこのAzalea Patternに非常に根強い人気と大きな支持があり、そのバックスタンプやアイテムによっては異常な高値を呼ぶ。ここではその人気の秘密を探ってみたい。

James & Florence Melvin and Rodney & Wilma Bourdeau著の『Noritake Azalea China 1975年刊』には66種類のノリタケのアザレアのアイテムが紹介されており、この薄っぺらなガイドブックが$100もの高額で取引されているほどである。因みにFerne & David Stephenson 著の『Noritake Azalea China 1999年刊』には71種類ものノリタケのアザレアが紹介されており、プライスガイド付きで$10で入手できる。

そもそもオールドノリタケの1パターンのアイテムに一冊の本ができる事そのものが、このアザレア・パターンがいかに多くのバリエーションを持っているかという証左であろう。それゆえ、オールド・ノリタケファン以外にもこのアザレア・パターンに的を絞って収集しているコレクターが少なくない。また、手彩であるため単なるプリントものと違い、同じアイテムであっても一点一点微妙にその彩色や構図が異なり趣や味わいが違ってくるのかも知れない。
また、花心の部分がエナメル盛りでできているのも他のパターンのものと一線を画するところだ。
ノリタケ・アザレアの人気の秘密はどうやらこの辺にあるといえよう。
15Pcのチャイルド・セットが何と$4100。約6インチ(15センチ)の小さなベースが$1000。
キャンディー・ジャーが$750。と信じられない価格である。日本の市場にはこのような情報が流れてこないため、このアザレアシリーズが異常に安く取引されているが、いずれ我国にも早かれ遅かれこの”アザレア信仰”が伝播するに違いない。
我国のコレクターの中にはやたらと大きなベースやアーンを追い求める向きがあるが、こういったコレクションの醍醐味もまたオールドノリタケならではの大きな魅力である。

まず最もポピュラーなのはやはり何と言ってもC&Sであろう。比較的入手しやすく廉価なため、アザレアの格好のコレクターズアイテムとして是非ともお薦めである。
このシリーズでは裏印は所謂ライジングサン、M in Wreath のGreen印 と Red印、そしてAzalea Pattern印 の4種類が使用されており、Azalea Pattern印 はアメリカのラーキン社からの特注品でノリタケの大量生産への先鞭をつけたといわれている。
しかしながらレアーな部類に属しこの裏印のものはアイテム次第で法外な値段がつくことがある。
ここに展示したC&Sは、M in Wreath とAzalea Pattern印 のもので作品の質そのものは全く変わらず見分けもつかない。

いずれこのアザレア・パターンは機会を見つけて独立したチャプターとして紹介を試みたい。
お楽しみに。



  



 
 


 
  






   



   

   



   

   





   




   

   



▼ デミタス・セット (demi-tasse) と ハーレクイン Harlequin Demi coffee set

主に食後に用いる小型コーヒー・カップやそれに注いだ濃いコーヒーのことをデミタスという。
一般にシンプルな形状のものが多く、ペディスタル付きカップやビュートシェイプなどは全く見当たらない。
また、単色が多く、装飾があってもプリントものである。

このデミタス・セットの中にはハーレクインと呼ばれる色違いセットのものがあり、必ずしもその色の組み合わせは決まっていない。6客一組が一般的である。