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ビール好きな男のオールドノリタケ
(Stein、Mug等)

ビールの歴史は古いそれゆえにビールを飲む器としてのジョッキ(Stein)、取っ手つきコップ(Mug)も古くから数多くありオールドノリタケでも味わい深いものもが多い。それらのいくつかを紹介する。

オールドノリタケのビール用の器は?

どんなデザインのものがあるのか?

Back Stampについて

Stein (スタイン):”陶器ジョッキ”を意味するドイツ語からきている。オールドノリタケのもは
          大体7インチ(約18cm)を中心にしたものが多い

TankardとMug(マグ):Tankard(大ジョッキ)のセットの一部とし売り出されることも多かったと
          思われる。大体4インチを中心にした小ぶりのものが多い
          但し、Mugと称するものには所謂飲み物用のpitcherとのセットものもあり
          必ずしも ビールを飲むカップでないものもある。 それ故にMugの中には
          Steinと違って花柄も含めた多種のデザインが存在する。 
          ここで紹介するTankardは実用には程遠いMoriageの工芸品レベルのものである。

    

1.オールドノリタケのビール用の器は?
3.Back Stampについて

裏印は#54 Maple Leaf と#47 M in Wreathのものが多い

ビールの誕生は古く約5000年ほど前、メソポタミア地方のシュメール人が初めて作ったといわれている。
当時のビールは麦を乾燥させた粉からつくったパンを砕いて、それに水を加え、自然酵母の働きを利用して造り
できたビール(?)は、ススキに似た草をストローがわりに使い、飲んだといわれている。

その後、ビールはエジプトを通り、ヨーロッパへと伝わっつた。「ビールは液体状のパン」=(キリストの肉)と
いわれ 修道院でビールの醸造が盛んに行われた。また、その頃から殺菌法や酵母の培養法など醸造に必要な
技術が次々と生まれるようになる。 ビールを入れる容器としてのSteinはドイツ語の”Steinzeugkrug”から来ており
一般的には蝶番の蓋とハンドルを持つものをいう。もともと、この蓋は当時ヨーロッパを襲った黒死病などの防止の
ために全ての食べ物の容器に蓋を義務つけたドイツに始まる。
一方Mugは蓋のないものをさすことが多い。オールドノリタケでは正確には全てMugであるが、Steinと呼んでいるもの
は形状的にRimの部分が絞り込まれているものが多く必要に応じてピュータなどの蓋を付けられるようになっていると
考えられる。ドイツ(ミュンヘン)にはspecial pewterer と呼ばれる蓋を付ける職人がいたことを考えると技術的には
可能と思われる。

 1)ビール専用のSteinについては所謂”花物”のデザインのものは少なく、又重厚なも
   りあげや金盛ものは確認されていない。 Steinのパターンは下記のようなものがある。

   ・手書きのシリーズもの  :Woodland、Hunt、Galle, Man on Camel、Dutch 
  ・ポートレイトもの    :Cartoon Art(ロートレック風)、Monk、Indian
  ・風景もの        :English Cottage、Arab at Wall、Windmill 等
  ・その他         :犬モールド、鹿、クローゾネ、バラのモリアゲ、エナメル

  Mugについては、花物のデザイン、もりあげのものと多彩な意匠と技巧のものが確認されて
  いる。(但しビール容器としてでなく、飲み物用Pitcherのセットの一部のものもある)
   

2)Tankard,Stein とMugの違い

 大きさの違いは前にも触れたがTankardが10inch以上、
 Steinが大体7inch、Mugは4inchが中心の大きさである。
 口の形状が下図に見られるように明らかな違いがある。
 Steinのコレクターには重要な蓋はノリタケからは提供
 されていなかった思われる。 

 

Mugは口がストレートな形状になっている。Rimに
金彩が施されているものもあり、一寸実用的でない
ものもある。

Steinは口の形状は 蓋がつけ易いようになっている?
本場のドイツのホッフブローハウスのジョキも口はこの
形のものがある。Rimは所謂金彩などは施されていない。

3). Steinは、人気のシリーズのデザインも多くそれらを収集する過程で、収集の対象
   に入ることもあり、特にビール愛好家が集めるばかりではないものも多い。 
   実際にビールを飲むために使えるが、大きさも7 inch あり装飾用にも魅力的な
   ものである。

4)  MugはSteinと違いTankardとのセットの一部として単品でなく、複数で売られたものも
  多かったと考えられる。 Tankardは大きく10 Inch以上のものも多く、セットで揃えると
  Coffee setなどと同様装飾用としては壮観である。 筆者もCardinals のRed Hutの
  Tankardを見たことがあるが、これは何と思えるほど大きなものであった。(値段もMug
  の10倍近くであった。) 同デザインのMugを一寸づつ入手しながら、それとあった
  Tankardもそろえていくのも時間をかけた、コレクションの醍醐味と言える。

Hunt シリーズのStein

ロートレック風のCartoon ArtのStein

Galle シリーズのStein

Wood Land シリーズのStein

Cardinals Red HutのMug

Victoria 時代の”紳士と淑女のMug

Windmill シリーズのMug

遺跡 シリーズのMug

2。 どんなデザインのものがあるのか?

5) Tankardは大ジョッキと呼ばれるもので通常Mugとsetに
 なって売られたとかんがえられる。 著者の持っている
 もの は残念ながら、Mugの存在は確認されていない。
 たまたまあるものとのマッチングデザインのものを手に
 入れたのがTankardだったということで、これは実用的な
 ものではなく、Moriageで蟷螂のデザインをあしらった
 工芸品のレベルのものである。
 詳細は又別のTopicsの時に紹介する。
 大きさは約10.5 インチである。

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