本会はオールドノリタケを中心とした明治以降の輸出陶磁器を愛好、研究対象とし、その啓蒙を通じて正しい知識や魅力を後世に伝えることを目的とするものです。
カフェ・ミュージアム『ジュール』でのオールドノリタケ講演会で講師を務めたメンバーがこのたび発起人となり、多くの皆さんのご理解とご支援のもと、このようなコレクターズクラブが生まれました。
本会がオールドノリタケをはじめとする輸出日本陶磁をいろんな角度から眺め、検証し、新たな文化的、芸術的価値を見い出し、発見することに寄与できれば有難く思う。
当日は午前の部と午後の部に別れ、午前の部では、井谷会長が会の目的や基本方針を説明。
また、顧問のデビット・スペイン氏やジョアン・バン・パッテン氏などのメッセージが紹介され、幹事諸氏が本会への抱負などを述べたあと、会員たちが1人ずつ自己紹介していった。
また、スペインご夫妻から祝辞と共に本会にアーティスチックなお花をプレゼントしていただいた。
この場を借りてお礼申し上げたい。
昼食をはさんで、すぐに非会員の受付が始まり、午後の部はみるみるうちに会場は満席となった。
まず、井谷会長の『近代輸出陶磁に描かれた女性像について』と題する講演である。
食器産業の衰退や機能性や利便性の追求によって、昨今は優美で華麗な女性像が描かれなくなったが、わが国の近代輸出陶磁器における女性像にスポットをあて、明治以降からアール・デコ期に至るまでの女性像の変遷をたどるものであった。特に興味深かったのは、アール・ヌーボー期のファッションスタイルのスカートがオールド・ノリタケのデコ・レディーのサザン・ベレ・シリーズの作品に描かれており、
アール・デコのラスターという素材にヌーボー期のデザインをモティーフに応用するという折衷的な試みに触れていたところである。
次に、水弘氏の司会による非会員を交えての交歓会である。6名1組のグループを作り、オールドノリタケに纏わる難問に取り組んだ。
難問のわりに決して堅苦しくなく、ユーモアを交えた設問も少なくない。
正解の最も多かったグループが優勝であるが、その賞品には過年度のノリタケ・カレンダーをグループ全員に。
後半戦は個人対抗の生き残りクイズである。全員が起立し、イエス・ノーで誤った者が次々と座っていき、起立している数名の正解者に賞品が贈られた。賞品には、オールドノリタケの書籍、展覧会のCD、中にはコトラー・コレクション展のカタログやミュージアム・ジェルまであった。早い者勝ちのためか凄まじい勢いでなくなってしまった。
参加者は全員で81名。当日、最後列の机と椅子を急遽調達するという嬉しい番狂わせ。
初回ですでにアメリカのコレクターズクラブのコンベンションの参加者に肩を並べているのには少し驚く。
総会の会員には全員に会報『Japan Porcelain』だけでなく、水弘氏の労作である本会オリジナルカレンダー・2008年度版やコレクション・カードをプレゼント。
これらは各幹事諸氏秘蔵のオールドノリタケのコレクションが満載してある。
さて、ゲームも終わり、互いに打ち解けたところでオールドノリタケ・ミュージアム、『ギャラリー・千種』への見学会である。
普段は非公開で去年5月に一部の関係者にお披露目されただけである。
質、量共にノリタケ・ミュージアムをはるかに凌ぐとあって、参加者はドキドキ、ワクワク!
参加者は3班に分かれ、バスでギャラリーへ。
一階のエレベーターで3階に直行すれば誰もが !!!!!!!!!!!!!
深い深い驚嘆、感嘆のため息が !!!!!!!!!!!!!
陳腐な解説や説明はこれらの画像を前にして全く必要なかろう。
まさにオールドノリタケと過ごす素晴らしい一日であった。
※ 最後に今回、参加者全員にアンケートを実施致しました。
その結果の一部をご報告いたします。
☆ 興味のある陶磁器についてオールドノリタケに関心60%、オールドノリタケ以外24.4%、コラーレン16.3%という結果が出ています。オールドノリタケ以外に興味のある方参加者の4分の1近くもいました。
☆ 参加者の最も興味のある技法は、やはり盛り上げ。そして金盛り、タペストリーの順。
デコはデコレディー、フィギュラルなど5つに細かく分けたため、それぞれ少なかったが、全部まとめると盛り上げに次ぐ人気アイテム。
☆ 用途別人気では、カップ&ソーサーやコーヒーセットがダントツ。次いでベース、プレートとなる。
☆ 分野別では、技法、絵付け、デザインの順で意外と裏印に興味を持つ人が少なかった。
非会員の方に比較的初心者の方が多かったのかも知れない。カップ&ソーサーの人気がそれを物語っているようにみえる。