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  13th NCS コンベンション Part1
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今年7月に行われたNCS(Noritake Collecotrs' Society)のコンベンションに3年ぶりに参加した。 家族とともに参加するのは初めてで3度目の参加である。関空からバンクーバー経由でシアトルへ。なんらトラブルもなくタクシーでホテルへ直行する。
今年は西海岸のシアトルでの開催とあって、日本からの参加者が20名近くもあり、例年に比べて初参加の方がめだった。毎回いろいろと趣向を凝らし盛りだくさんの催しで参加者を満喫させてくれる。事実上、NCSを主宰するデビッド・スペインさんのご苦労は相当なものである。開催前日の7月14日、ホテルに到着するや否や2年ぶりに彼と再会したが、随分と痩せておられ、コンベンションの開催準備に忙殺されているご様子だった。

今回の第13回NCSコンベンションの会場はワシントン州、シアトルのダウンタウン北西15マイルのEmbassy Suites ホテル。よくコンベンション会場に利用されるらしく、われわれが到着した日もノルウエー系アメリカ人のコンベンションが開かれていた。中庭にはデビッドさんの娘さんが描いたエルテのデコレディーをデザインしたNCSの垂れ幕が長旅の疲れを癒してくれた。
   
   
翌日の15日は夜の7時30分にregistrationが始まるため、朝から井谷女史らとボーイング社の世界最大の飛行機工場の見学ツアーに。
女史は、今春、オックスフォード大学院を卒業され、博士となられたが、いつもの大変気さくな井谷さんとしてツアーに誘ってくださった。

工場内は写真撮影禁止だったため、その規模たるや画像で紹介できないのが残念である。何機ものジャンボジェットの組み立て工場の壮観さは流石にギネスものだった。1971年のボーイングショックで本社がシカゴに移転したが工場はシアトルに残ったままだ。この件でシアトルの経済に翳りが見えると思いきや、今やこの都市はシリコン・バレーに並ぶシリコン・フォーレストの一翼を担い、マイクロソフトをはじめ、スターバックス、アマゾン、任天堂など世界的企業も少なくない。
人口僅か57万人のキング郡の郡都に過ぎないが(州都はオリンピア)グレイター・シアトルは380万人で経済規模は意外と大きい。余談だが、シアトルは全米で最も教育水準が高く(大卒人口比が全米でトップ)、白人の人口比も73%と主要都市の中でトップで、毎年のアンケートで、全米で最も住んでみたい都市の一つにその名を連ねている所以である。
   





  さて、今回のコンベンションの大きな特徴は、100名を超える過去最高の参加者に加え、オークションの出品数が500点以上とかなりの数に上るためか、初日(15日)のSilent Auctionと17日のLive Auction の2回にオークションを分けたことである。
このSilent Auctionの前に 『 Ice Cream Social 』 と題してアイスクリームを食べながら、全米各地からやって来たコレクターたちが互いに再会を喜び合い、そして親交を深め、ノリタケ談義に花を咲かせるひと時があった。日本のオークション会場でもこのような演出があっても面白いのでないかと思う。このSilent Auctionは、競売人による従来の入札形式ではなく、各アイテムに用意された入札用紙に自分の希望落札価格と名前を記入し、最高価格を記入した者が落札者となる。また、アイテムの中には希望落札価格が表示されており、その価格で購入したければ、そのアイテムを持って代金を支払えばその場で自分のものとなる。eBay AuctionのBy it now と似たようなものである。このオークションでは、自分がアウトビッドされたくない金額を記入しなければならないので、ときに次点者との価格の大きな乖離が気になるところだ。Live Auctionのように段階的に金額がアップしないためである。しかしながら、By it nowのようなシステムであれば出品者の価格操作もあり得ないし、その点、気持ちよく入札できる。ただ、双方とも年々目を引くアイテムが乏しく、内容的にはコレクターより業者さんにとって格好の仕入れの場となったに違いない。
参加者の予定人数がオーバーしたためか、今年は例年利用するEmbassy Suites ホテルと近くのホテルに参加者が分かれて宿泊することになった。われわれは幸いにもコンベンションの開かれているEmbassy Suites だったため不自由は感じなかったが、親しい皆さんと一緒に朝食がとれなかったのが残念であった。時差による睡魔と闘いながら日本人には馴染めない朝食をとり、9時から始まる会長のリタさんの講演に。今年のテーマはEvergreen Stateであるワシントン州にちなんでグリーンがテーマである。彼女のコレクションからグリーンを基調としたアイテムがつぎつぎと紹介された。

午後からは Volunteer Park の SAM (Seattle Asian Art Museum) とデビッド・スペイン氏のお宅訪問である。約100名のメンバーをブルー・ラスターグループとグリーン・ラスターグループの2つに分け、時間をシフトさせて、Field Tripに出かける。車を持つ会員に足のない会員が予め割り当てられており、われわれもLeeさんの車に乗せてもらうことになった。こういった行き届いた手配に本当に感謝したい。


  次にスペイン邸である。ごく近所にブルース・リーやスターバックスの社長宅もある緑豊かな閑静な高級住宅地の一角にあるこの邸宅は概観よりずっと広い。当地では近年不動産が随分高騰したらしく、周りは全て億単位の邸宅である。前回1週間ほどホームステイさせてもらった時に比べ、少しノリタケのディスプレイは多くなっているが、リビングやダイニングなどは概ね変化はなかった。配布されたガイドには、リビングやダイニングは勿論、台所、書斎、ベッドルームなどにディスプレイしているアイテムに詳しく説明が加えられ、飲み物からトイレに至るまで微細にわたって来訪者への気配りが溢れていた。来訪者は一様にその心配りというか、できる限りの配慮にデビッドさんのお人柄に触れつつノリタケ・アールデコの素晴らしい空間に我を忘れるのである。

竹製の花器(バスケット)は最初にガイドに紹介されてあったが、それについては後でまた詳述したい。コレクションの数はそれほど多くはないが、流石一つ一つのアイテムの質が非常に高い。キャビネットには垂涎の的のオンパレードである。また、書斎の壁には小生の門司での『華麗なるオールドノリタケの世界』展の大きなポスターが貼ってあり、思わず記念にシャッターを切ってもらった。
 
   
   
   
   
4年前にすでに家族でSAMも見学しているが、今回、何よりも驚いたのは、3年前、デビッドさんを京都の古門前の骨董店に案内した際に彼が買った竹製の花器(バスケット)と同じような花器がこの美術館にディスプレイされてあった。ただ、デビッドさんの花器の方が圧倒的に優れている。この花器はノリタケで言えばまさにSeated Ladyだ!とデビッドさんを興奮させたのも無理はない。ミュージアムレベルをはるかに超えているのである。それからもう一つ、デビッドさんへのお土産にムラノのワイングラスをプレゼントしたのだが、このムラノの作品がいくつも展示してあったのだ。




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